ちゃんちゃこ祭りをささえる人々〜下塩津神社(集福寺)〜 |
何百年も続く伝統を口授口伝で守りぬく
西浅井町の北部に位置する下塩津神社。ちゃんちゃこ祭りは、何百年も前からその地の人々に深く息づいている。リズミカルな鉦(かね)や太鼓の音にしたがって展開され、花笠・太鼓踊り・武者行列という三部構成の祭りは、特別な手引書もないままに口伝えで子供たちに継承されていく。 |
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練習風景 |
集福寺への愛着が祭りの文化を育てる |
祭りの練習は約二週間前から連夜行われる。集福寺の氏子によって組織される宮若社が行事を運営し、大人から子供まで一丸となって祭りの文化を育てているのだ。近年の過疎化と少子化により、青年層の参加者が少ないのが気掛かりなところ。とはいえ、親子何代にもわたって参加する家族たちの支えもあって今日に伝えられている。
練習の会場は下塩津神社の拝殿や社務所。鉦役の大人二名、太鼓役の大人二名、棒振り役の小学生二名による六人編成の踊りなどを繰り返し練習する。「長老から見つめられるとプレッシャーもかかる」という本音の部分はあるものの、この継続力はやはり生まれ育った土地への愛着があったればこそだろう。
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役割発表 |
全20番からなる祭りの歌を書いた扇子 |
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衣装合わせ |
発祥不明の奥深さを衣装と道具に感じる |
自分の衣装をつけてもらいながら「派手な衣装やなぁ〜」と驚きの声を上げる子供たち。見るからに使い込んだ様子の太古や長刀(なぎなた)。赤熊(しゃぐま)と呼ばれる、太鼓・棒振り用のかぶり物、鉦打ち役の赤頭巾など、所々にあしらわれている赤色がアクセントになっている。
雅やかな花笠の娘たちの衣装もあれば、戦国武将を思わせる重厚な道具もある。祭りそのものが発祥不明なのでデザイン意図を明らかにすることはできないが、衣装あわせの風景は実にバラエティーゆたか。祭りへの期待感もふつふつと高まってゆく。
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いざ本番 |
当日の朝は、神主が神前で祝詞をとなえ、巫女に扮した娘たちが雅楽にあわせて舞う。そして、いよいよ行列が神社へ。
前杖、長刀、先箱、毛槍、立傘、台傘、大弓、槍、そして鉦、太鼓、棒振りの踊り衆、さらに花笠、後杖の順で神社までの道のりを練り歩く。
神社の石鳥居をくぐると行列は俄然活気付く。鉦・太鼓の音が一際大きく鳴り響くと、露払いの長刀をはじめ警護たちが鍛えぬいた力技を披露する。「カンカン」という鉦の音と「ショーイッ」という掛け声が神社の境内にこだまするとき、祭りをささえる人々の団結力の強さを思わずにはいられない。
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