深坂古道

深坂古道は古来、「深坂越え」と言われ
標高370mの深坂峠を越える交通の難所とされていました。
しかし「深坂越え」は、越前の国(敦賀)と近江国(塩津)を結ぶ
最短経路であり、難所であるにもかかわらず
大変たくさんの人々に利用されていました。

千年の昔、紫式部が父(藤原為時)に連れられて通った道であり
平清盛が息子、重盛に、琵琶湖-敦賀間の運河の開削を命じたところでもあります。

近世に移り、秀吉によって高低差の少ない「新道野越え」が東に開かれると
難所とされてきた「深坂越え」の道は衰退していきます。
しかし、こうして交通路としての主役の座を明渡したことが逆に
古代の街道を現在に残す結果となったのです。

現在では東の「新道野越え」は国道8号線に
西の「西近江路」は国道161号線に姿を変えています。
「深坂古道」はそうした時代の中で残された、数少ない古道のひとつなのです。

深坂古道を歩く
歴史の中の深坂古道

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