「とびのお」は、かさぎ舵床を受けるために、後部に突き出した部分を指します。これは鳥の「トビ」の尾羽に似ているところから、その名が付けられたと言われています。とびのおの上の部分を「さるおだな」と呼びます。

「神與丸」のとびのお 「琵琶湖博物館の丸子船」のとびのお

「勢湖丸」のとびのお 「神與丸」 後部から


 堅田型の丸子船の「とびのお」は、まさに「とびのお」と言わんばかりに上下に広がっていますが、湖北型は直線的なデザインになっています。さらに勢湖丸・神與丸は、とびのおの先端に、舵床が乗るように付けられています。「さるおだな」と「とびのお」で挟み込むように舵床を受けている、琵琶湖博物館のものとはかなり形状が違います。ただし、勢湖丸・神與丸は昭和の初期に作られ、以後30年以上現役の運搬船として活躍してきた船ですから、あちこちに補修のあとがあり、作られた直後の状態とはかなり印象が違っていると思われます。


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北淡海・丸子船の館
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